
これまで続けてきた〝コーヒー党の野鳥と自然〟は、ブログの容量がほぼ一杯になってきたことから今回で一旦終了し、新しいブログとして〝
コーヒー党の野鳥と自然 パート2〟へ移行することにしました。これまでと同じように、野鳥を中心に自然とのふれ合いを紹介していきますので、どうぞよろしくお願いします。
さて、本ブログの最終回は、前回からの続きで、梅雨明けして間がない7月最後の週末に、赤城山の覚満淵で自然観察を兼ねて涼味を満喫してきた結果を紹介します。爽やかな空気に包まれて、それはまさに命の洗濯といった感じでした。都内に比べると、朝夕の涼しさは格別で、エアコンの効いた部屋にいるより涼しいことは間違いありません....というより、半袖では寒いくらいですから、上に1枚重ね着をしていました。こんなに素敵な環境であれば、夏の間仕事がなければ都会に戻るのが嫌になるくらいです。
野鳥の繁殖シーズンはそろそろ終わりですから、山野草観察に主眼を置いて場所の選択をしました。

これは、湿原の中に設けられた木道です。早朝は朝靄が立ち込めて幻想的な風景になり、カメラマンが何人か写真を撮りに来ていました。でも、朝に弱いコーヒー党は朝靄に煙る風景は撮れず、こんな写真ばかりです f^_^;)

今回は、山野草の観察をメインに、野鳥写真が撮れたら嬉しいと思ってやって来ましたが、野鳥はそこそこでも、山野草はたくさんの写真が撮れました。こんな湿原が広がっていますから、その中を歩き回っているだけでも気持ちが良いものです。

これはナデシコの花です。高山植物のエゾカワラナデシコは花弁の基部まで深い切れ込みがありますから、この花とはちょっと雰囲気が違いますね。ビジターセンターの駐車場の近くに咲いていたものですから、もしかしたら自然のものではなく、園芸種であるかもしれません。

ここを訪れたのは、7月最後の週末でしたが、湿原の中にはこのクガイソウの花がとてもたくさん咲いていました。場所によっては群生しているところもありましたが、固まってゴチャゴチャ咲いているところより、こんな感じの方が見た目に涼やかであると思います。

これもたくさん咲いていたヨツバヒヨドリの花です。この花には、アサギマダラやヒョウモンチョウの仲間がやって来て、吸蜜している様子がよく見られました。チョウには美味しい蜜が吸える花であるようです。

湿原の中に設置された木道の脇に、ヒョロッとした姿を見せていたものですが、これはハナチダケサシでしょうか?自信を持って識別できないのが残念ですが....。

湿原の中で、ちょっと変わった花を見つけました。茎から出ている葉の付け根の、葉腋と呼ばれているところに花を咲かせています。図鑑で調べてみたら、これはシソ科のヒメシロネになることが分かりました。

こちらはオトギリソウになると思いますが、咲いていたところが湿原の中ですから、サワオトギリであるかもしれません。残念ながら私には、その明確な違いを見極める知見がありません。

これは草原の中にひっそりと咲いていた山野草です。花の形からランの仲間であろうとは想像がつきましたが、初見の花ですから名前も分からず撮影してきました。後から調べてみたら、ラン科のヤマサギソウか、オオヤマサギソウの何れかであることが分かりました。

夏の高原を散策するとよく目に付くワレモコウです。暗赤紫色の花穂をつけた独特の形状が、この季節の草原には欠かせない、山野草の仲間です。赤トンボでも留まってくれたら面白かったのですが....。

櫛の歯のような形の葉を互生させているのが特徴のノコギリソウです。ここでは高さ7〜80cmほどの高さに花をつけていましたから、草原の中でも目立っていました。

これは見るからに涼やかで可憐な花姿に、思わず見惚れて撮影してきました。これはヒメイワギボウシです。同じ仲間のユリ科にはコバギボウシなどがありますが、花姿はこちらの方がずっと洗練された感じです。

暗赤紫色の花をつけていたヤマホタルブクロです。覚満淵から大沼へ流れ下る川のほとりに咲いていました。晩春から初夏にかけてが花期だと思っていましたが、ここではまだ咲いていてくれました。

こちらは平地でもよく見ることができるネジバナです。ビジターセンターの駐車場で、車中泊をしながら夕食の準備をしていた時、すぐ脇の草むらに咲いているのを見つけました。

これも同じくビジターセンターの駐車場の脇に咲いていたゲンノショウコです。やはり平地でも普通に見られる山野草ですが、山では同じ仲間のハクサンフウロばかり見てきましたから、このゲンノショウコが新鮮に見えてしまいました。
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| 2016-08-24 06:00
| 植物

赤城山の標高1,300メートルのところに大沼と小沼という湖がありますが、その間に挟まれるように、覚満淵という高層湿原が位置しています。〝小尾瀬〟とも呼ばれる覚満淵は、周囲は30~40分もあれば一周出来るように、木道と散策路が整備されていますから、日帰りで楽しんでくるにはちょうど良い場所であると思います。ゆっくり散策するとたくさんの山野草が観察できて、野鳥やチョウ・トンボの仲間も豊富ですから、自然観察の楽しめる場所になります。
この写真は、鳥居峠から覚満淵を撮影したものですが、奥に見える湖が大沼です。今回から2回にわたって、そこで見てきた山野草を紹介してみたいと思います。

ここに来るようになったのは、向こうに見える黒檜山(標高1,828m)をはじめ、地蔵山(標高1,674m)や長七郎山(標高1,579m)などへの登山の目的がありました。でも、今では覚満淵での自然観察のために足を運ぶようになりました。

冬の間は、スノーシューを履いて歩き回ったこともありましたが、コナシの木にアトリやレンジャクなどの野鳥も飛来して来て、まじかに写真を撮ることが出来ました。季節を問わず楽しめるところだと思います。

日当たりの良い草原を歩いていると汗が流れますが、森の中に続く涼しい散策路を歩いていくと、鬱蒼とした茂みの中で咲いていた、マルバダケブキの花を撮影することが出来ました。

覚満淵の東側に続くなだらかな斜面には、草原が広がっています。その中を汗を拭きながら歩いていくと、ヤマオダマキの花が出迎えてくれました。歓迎してくれているようですから、すかさず撮影させてもらいました。

こちらも草原の中に咲いていたノアザミの花です。草原の中に着けられた散策路を歩いていくと、葉の先端が棘のように尖っていて、チクチクと刺さって痛いです。とてもたくさん咲いていて散策路にも飛び出していますから、嬉しいような困ったような....

こちらはオオバクサフジの花になります。目立つ花ではありませんが、草原の中ではこの花もよく目につきました。覚満淵の高層湿原を彩る山野草のひとつです。

花茎に沿って、釣鐘型で薄紫色の花を輪生させていたツリガネニンジンです。草原の中に立つシラカバの樹が作る、日陰の中に咲いていましたから、見るからに涼やかな花姿でした。

ゴチャゴチャと色々な草が生い茂る草原の中に、少し色合いが異なる花が咲いていました。名前が分からないまま撮影してきましたが、後から図鑑で調べてみたら、これがシュロソウになるようです。ちなみに緑色の花を咲かせるのがアオヤギソウで、このように暗視褐色の花を咲かせるのがシュロソウだそうです。

キオンの花が咲き始めていました。夏山に登ると、必ずと言ってよいほど目にする山野草です。場所によっては、一面黄色になるほどの大群落を目にすることもありますが、ここでは控えめに花を咲かせていました。

草原の上に、1本だけヒョロッと頭を出していました。これはホザキシモツケで良いのでしょうか? それともハナチダケサシでしょうか? よく分からないまま紹介させてもらいました。

草むらの低いところに紫色の花を見つけました。春先によく見るウツボグサです。訪れたのが7月最後の週末でしたから、花期はもうとうに過ぎていると思っていたのに、ここではまだ花を咲かせていてくれました。

こちらはシソ科のクルマバナです。薄いピンク色の花を、茎に沿って輪生させているところから、この名前が付けられたものと思います。

こちらも同じシソ科に属するミヤマタムラソウです。同じ仲間にナツノタムラソウというのがあって、花色をやや濃いめに咲かせるようですが、このように花色が白いものがミヤマタムラソウになるようです。

キツネノボタンが咲いていました。でも、花の大きさが普通のキツネノボタンに比べると小さいです。これはヤマキツネノボタンですね。覚満淵から大沼へ流れ下る川に沿った道沿いで撮影しました。

こちらはウスユキソウです。この仲間にも色々な種類がありますが、私にはよく分かりません。覚満淵から鳥居峠に至り、小沼へ抜けようと山道に入ったところで撮影しました。
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| 2016-08-23 06:00
| 植物

このところ日本には台風がいくつも接近して、各地で大雨の被害が出ています。8月20日の土曜日は都内でも局所的な豪雨があり、私の自宅付近でも一時的にものすごい雨が降りました。こんな状況では21日の日曜日も雨に降り込められるだろうと思っていたのですが、日曜日は朝から良く晴れて、とても暑い一日になりました。予定もしていなかったのですが、あまりにも良いお天気でしたから、シギチを観察するにはちょうど良い頃合いだと思い、朝のチョコちゃんのお散歩を済ませてから、休耕田巡りに出かけてきました。まずまずの成果を上げることが出来ましたから、順を追って紹介していきたいと思います。
7月最後の週末に、避暑を兼ねて出掛けた山の中で観察した野鳥の紹介をしてきましたが、今回紹介するのはヒガラの幼鳥になります。

このヒガラの写真を撮影した時は、梅雨明け直後の熱さを逃れて、少しでも涼しいところで自然観察しようと思い、群馬県下へ遠征してきたわけですが、朝の散策に出掛けた時に撮影したものです。

これまでに、何回か足を運んできたところですから、地理的な不安はありませんが、野鳥との出会いに関しては運も大きく左右します。早朝の散策に出掛けたところ、野鳥の群れと遭遇することが出来ました。

この日足を運んできたのは、赤城の山の中ですが、大沼と小沼の間にある覚満淵という高層湿原の周辺が、自然観察にはとても良い環境で、野鳥だけでなく山野草の観察にも適したところです。

ビジターセンターから覚満淵に続く散策路は、木陰の中を歩く樹も落ちの良い小道が続いています。日向は暑さがありますが、木陰の涼しさはとても沖も落ちが良いものです。ここではヒガラの群れと遭遇しましたが、この個体の羽衣は色が淡いですから、今年生まれたばかりの幼鳥であることが分かります。
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| 2016-08-22 06:00
| 野鳥

避暑を兼ねて自然観察に行った山の中で、撮影した野鳥達を紹介しています。幸い良いお天気に気恵まれ、涼味も満点でしたから、所期の目的は十分に達成できたと思っています。
今は、定年退職後の第二の職場で働いていますが、それなりに忙しい毎日が続いていて、また仕事関係のお付き合いもありますから、週末くらいはのんびり息抜きをしたいものです。そんな仕事と都会の喧騒を離れ、山の中でのんびり自然と向き合うことは、何と素晴らしいことでしょうか。今回もたくさんの自然の仲間と出会うことができ、自分なりに十分満足できました。お陰でまた翌日からは、仕事へも前向きに取り掛かることが出来ました。心身ともにリフレッシュしています。

今はまだ週末だけのお楽しみで、関東近県にしか出掛けられませんが、65歳を過ぎて第二の職場を卒業したら、日本各地に出掛けてみたいと思っています。野鳥の宝庫である、あの広い北海道から、ツルが越冬する南の九州まで、長期遠征をすることがこれからの夢になりますす。

日本各地を歩いて、色々な自然環境っをこの目で見て来ることは、ボケ防止にはとても有効なライフワークになるだろうと思っています。今はただ思い巡らすだけですが、想像しただけでワクワクしてしまいます。

この日訪れたのは、群馬県内の山の中ですが、標高が1,400mほどで、山あり、草原あり、湖あり、湿原ありと環境に恵まれている場所でした。野鳥ばかりではなく、たくさんの山野草やチョウの仲間も観察できましたから、これから紹介していきたいと思います。

今回紹介するのはホオジロです。7月最後の週末でしたが、湿原の周りでは、まだまだ囀りを繰り返す姿を、何か所かで観察することが出来ましたから、ちょうど良い撮影対象になってくれました。
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| 2016-08-21 06:00
| 野鳥

今から10年くらい前は、バードウォッチングの面白さにどっぷりとはまり込んでいて、どんな鳥を見ても楽しいと感じていました。特にその頃は水辺の野鳥を追いかけることに傾注していて、炎暑の季節でも休みになると、田んぼ巡りをしてシギチを観察したり、海辺でアジサシ類の観察をするのが定例パターンとなっていました。クラクラするような暑さの中にいても、シギチやアジサシの仲間を観察することが面白かったのです。
今から思うとまだ年齢的に若いうえ、バードウォッチングに魅せられていましたから、暑さにめげることもなく、好んでそんな環境の中に飛び込んでいったと思います。でも、山登りをするようになって、山の涼しさにすっかり魅せられてしまいました。この頃では暑い平地で熱中症を心配しながら、野鳥観察する気持ちにはなれません....。そんな訳で7月最後の週末は、梅雨明けしたこともありましたから、猛暑の都会を離れ、山の中へ1泊2日の避暑を兼ねた自然観察に行ってきました。
今回は、山で出会ったコガラの写真を紹介します。

標高が100m高くなると、気温は0.6度下がると言われています。今回訪れた場所は標高1,400mほどの場所でしたから、例えば平地が35度になったとしても、この計算でいけば26.6度ということになりますから、クーラーの効いた室内にいるようなものです。

日当たりの良い場所では、標高が高いといってもやはり暑さを感じますが、いったん日陰に入るとまるで別世界のような快適さです。山の中で涼しさを満喫しながら、のんびり週末を過ごすことができますから、こんなに有難いことはありません。

おまけに、暇つぶし方々、カメラを担いで周囲を散策してくると、1日があっという間に終わってしまい、時間が足りないと感じるくらいです。
もう1日余裕があれば、心身ともにリフレッシュ出来て、最高のウィークエンドになると思うのですが、なかなか思うようにはいかないものです。

今回も車中泊でしたから、朝起きて最初にやることは、車の脇にイスとテーブルを出して朝食の支度をすることでした。携帯コンロでお湯を沸かしてコーヒーを淹れ、野菜サラダとサンドイッチ、バナナとヨーグルトがこの日の朝食メニューでした。

朝食を済ませて、緑深い森の中の散策路を歩くと、そこには野鳥たちの元気な姿が踊っていました。この辺りには、シジュウカラなどの仲間が多くいるようですが、たまたまコガラが群れで飛来してくれました。
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| 2016-08-20 06:00
| 野鳥

このexciteブログは、無料で利用できるものですが、テキストは無制限でも、画像の制限容量は1GBまでとなっています。便利に利用させてもらっていますが、〝コーヒー党の野鳥と自然〟を始めてから、既に2年半ほどが経過して、気がつけば、そろそろそ画像容量が一杯になろうとしています。以前に開設していた〝
コーヒー党の野鳥観察〟と〝
コーヒー党の自然観察〟のブログを引き継いだ形で始めたものですが、〝コーヒー党の野鳥観察〟は容量一が杯になるまで8年ほど利用させてもらっていましたから、この〝コーヒー党の野鳥と自然〟の容量が一杯になるのは、予想より随分早かったように思います。
もともと、いつかは区切りをつけなければならないと思っていましたが、実際にその時を迎えて、さて、これからどうしましょう....? 毎日書き込みを続けるのは大変だから、これを機に少しお休みしようか、それとも山登り中心のブログに変更して新たに始めようか、でなければ今のブログを引き継いで、別のブログを開設するか....思案のしどころですが、このブログの容量が一杯になるまでもう少し余裕がありますから、それまでに結論を出していきたいと思います。

ところで、今年の梅雨明けは7月28日となり、例年より1週間ほど遅れてしまいました。ジトジトした天気が続くのは嫌ですから、明けてくれたのは喜ばしいことですが、梅雨明けとともに猛暑のシーズンが始まってしまいました。そこで、都内の暑さを逃れるため、7月最後の週末は、涼しい山の中で過ごすことにしました。

今回、週末を過ごしたところは、標高が1,400mほどある群馬県の山の中で、いつものように車中泊をしてきました。夜は半袖では少し寒いくらいで、クーラーの効いた部屋にいるより快適な環境でしたから、期待どおりの涼しさを満喫してくることが出来ました。

今の時期、車中泊とはいっても食事時は車外に出ることになります。
その時使用している椅子は、モンベルストアで購入したMBチェアワンという製品です。世界的ブランドのヘリノックス製で、座面は吊り下げ式シートになっていて、すっぽりと包み込んでくれますから、快適な座り心地です。これがあるからアウトドアライフが楽しみと言っても良いくらいのお気に入りアイテムです。

この日、撮影した機材は、オリンパスE-M1 + M.300mmF4 PRO + MMC-14 です。これをジッツオのマウンテニア三脚に載せ、湿原とその周辺に続く森の中を歩き回ってきました。カメラはマイクロフォーサーズ規格ですから、35mm換算で、840mm相当の写真が撮れます。でも機材はとても軽量で、三脚込みで4kg強ですから、これなら担いで1日歩き回っても平気です。お蔭で、行動半径を広くとることが出来るようになりました。

山の中に、キョッキョッという大きな声が響き渡りました。その鳴き声で、アカゲラが来ていると直ぐに分かりました。上手い具合に、私が歩いていた山道のすぐ先に、飛来してくれた鳥がいました。慌ててカメラを構えると、ファインダーの中にアカゲラの姿が入っていました。
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| 2016-08-19 06:00
| 野鳥

7月24日から26日にかけて山友と2人で槍ヶ岳(標高3,180m)に登ってきました。その時、観察した高山植物の紹介を続けてきましたが、3回目の今回で一区切りを付けたいと思います。
前の職場で採用同期生であった山友との二人三脚は、気心も知れていて思い出深い山行となりました。しかし、槍ヶ岳登山は、既に定年退職している私にとっては、一人ではなかなか決断することが出来ない厳しい山行だと思っていました。たまたま誘ってくれた一言が背中を押してくれて、躊躇していた第一歩を踏み出すことが出来ました。彼がいなければ登頂することはなかったでしょう。
昨年の甲斐駒ケ岳(標高2,967m)と仙丈ケ岳(標高3,033m)を一緒に登ってから、本当に良いパートナーになったと思います。お陰で山登りの楽しみが増えてきましたし、これからも続けて色々な山にアタックしていきたいと思っています。
さて、今回最初に紹介するのは、槍ヶ岳に近い稜線の下で撮影したオンタデの花です。この辺りにはたくさんの高山植物が咲いていて、目を楽しませてくれるお花畑になっていました。

草むらの中の岩陰に、青紫色の可愛い花を見つけました。ミヤマリンドウです。山頂ばかり見て登っていたら、間違いなく見落としていたことでしょう。山登りの時には、足元にも目を配ることが必要です...。(^^;;

槍ヶ岳のお花畑にはたくさんの高山植物が咲いていました。その全てを一度に紹介できませんから、今回まで3回に分けてアップしてきました。でも、それでも全部紹介しきれないほどです。これはミヤマダイコンソウです。黄色い花がよく目立ちますが、円形の大きな葉を広げているところが特徴的です。すぐ右脇に咲いている花はチングルマですね。

砂礫地帯では、このイワツメクサがよく目につきました。細い葉を広げて群生していますが、白い花弁も葉と同じように細いところが面白いです。でも、1枚1枚の花弁は基部近くまで深く割れていますから、細い花弁が10枚もあるように見えてしまうのです。

肉厚の葉の上に黄色い花を咲かせていたイワベンケイです。これも、標高が高くならないと見かけることがない高山植物ですね。その直ぐ奥に固まって咲いているのが、上で紹介したイワツメクサになります。

こちらはタカネツメクサになります。上で紹介したイワツメクサに比べると、葉が太目です。また、5枚の花弁もイワツメクサのように深く裂けていませんから、その形状は明らかに異なりますね。イワツメクサに比べると、見かけることは少なかったように思います。

岩陰に咲いていたイワギキョウです。撮影したこの花は、そんなに大きな群落を形成していませんが、槍ヶ岳山荘の近くでは、とても大きな群落を見ることが出来ました。

槍ヶ岳山荘を出て、これから槍ヶ岳山頂直下の岩場に取り付こうと足を進めていったところ、その直前で見付けたミヤマオダマキの花です。
山の雰囲気を入れて撮影するのに、ちょうど良い場所に咲いていてくれました。

槍ヶ岳の頂上アタックのために取り付いた岩稜で撮影したシコタンソウです。この花は初見になると思います。写真ではよく分からないと思いますが、花弁の中に薄いオレンジ色の水玉模様がある、見た目に可愛い花でした。

続いてスミレの仲間を2種紹介します。いずれも黄色い花を咲かせるスミレで、とてもよく似ていますがその違いを見てください。初めはタカネスミレです。葉の表面に光沢があるところが特徴です。

次に見ていただくこのスミレは、キバナノコマノツメになります。上の写真のタカネスミレに比べると、葉に光沢がないことが分かると思います。数年前に八ヶ岳に登った時、このキバナノコマノツメの大群落を見てビックリしましたが、ここでは見つけたのがラッキーでした。

続いてクワガタソウの仲間を2種紹介します。初めはヒメクワガタです。花はとても小さく、直径は5~7mmくらいしかありませんから、花畑の中では目立ちません。うっかりすると見落としてしまいそうです。

こちらは濃いピンク色の花を咲かせていたミヤマクワガタです。雄しべと雌しべが長く伸びていて、独特の花姿をしていますね。この花もそんなに大きいわけではなく、直径は7~9mmくらいです。

なんだぁ~タンポポかと思われてしまいがちですが、標高2,500mを超える高山に咲いていたミヤマタンポポです。平地で普通に見られるセイヨウタンポポとかカントウタンポポなどとは違います。....でも、どこが違うのかと言われると???

槍ヶ岳の山頂直下の険しい岩場に咲いていたミヤマタネツケバナです。奇数羽状複葉という小葉をたくさんつけているところが特徴的なアブラナ科の高山植物です。

こちらも上の写真のミヤマタネツケバナと同じような花を咲かせていますが、花柄が長いところと葉の形が違います。ミヤマタネツケバナと同じアブラナ科の高山植物になりますが、これはクモマナズナになると思います。
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by coffeeto1
| 2016-08-18 06:00
| 植物

山友と2人で槍ヶ岳に登ってきました。私的には山登りの楽しさもさることながら、高山植物をたくさん観察してカメラに収め、こうしてブログで紹介できますから、二重の楽しみをさせてもらったと感じています。槍ヶ岳登山自体が大変だと聞いていましたから、果たして無事に登頂できるであろうかと、事前に少しは心配もありました。でも、実際に足を運んでみたら高山植物たちの歓迎を受けて、そんな心配も杞憂に終わったように思います。
ただ、今回の山行で私が困ったのは、高山植物を見つけて撮影していると、先を行く山友の歩くペースに追いつくのが大変であったということです。撮影している時は、休憩を取っているようなものですから文句も言えませんが、それでも遅れを取り戻そうとピッチを上げて追いつくには、かなりシンドイものがありました。
ところで、これはタカネヤハズハハコになります。ハァハァと息をつきながら急登にさしかかった時、ふと顔を上げたらこの肉厚の葉が目に留まりました。名前も分かりませんからすかさず撮影して、後から調べることにしました。図鑑を見て名前が分かりましたが、ピンク色の花が咲くのかと思っていたのに、タカネヤハズハハコは蕾の時だけこのように色付くものであるようです。

何年か前に白馬岳に登ってきましたが、大雪渓の上で見たあの花畑は、今でも忘れることが出来ません。あの広大で見事な花畑には敵いませんが、槍ヶ岳に広がる花畑もなかなか見応えがありました。

白馬岳の花畑に咲いていたハクサンイチゲの大群落は今でも鮮明に記憶に残っていますが、ここのハクサンイチゲもとても綺麗に見えました。ここではハクサンイチゲの隣にイワツメクサが遠慮気味に花を咲かせていました。

この群落はヤマブキショウマです。高山植物というより、低山帯から高山帯まで生えている山野草ですが、低山に比べて標高の高いここでは、草丈は30cmほどしかありませんでした。

こちらはゴゼンタチバナです。初夏の山ではとてもたくさん咲いている風景を見ることもありますが、ここでは花期を過ぎていたせいか、とても数が少ないと思える状況でした。

森林帯を抜け、岩がゴロゴロした登山道を登って行くと、暫くしてたくさんの高山植物が観察できるようになります。山肌を緑の葉で覆ったチングルマが、白くて可憐な花を一斉に咲かせていました。見応えのある眺めです。

面白いもので、たくさんの花を咲かせているチングルマがある一方で、あまり離れていない所では、既に花が咲き終えて、こんな果穂を並べているチングルマの姿もありました。

今回は、山登りがメインになりますから、撮影に使用したカメラはオリンパスの SP-100EE というコンパクトデジタルカメラです。普段はミラーレス一眼の OM-D シリーズを使用していますが、このコンデジは換算24-1,200mmの撮影が出来るうえ、近接撮影もできておまけに軽量ですから、山登りではこれ1台ですべての撮影を賄っています。
そのカメラで撮影した、こちらはバラ科のミヤマキンバイの花になります。

ミヤマキンバイは、キジムシロの仲間の高山植物になります。黄色い花を咲かせて綺麗ですが、同じような花姿のシナノキンバイやミヤマダイコンソウとの識別は葉の形に注目するとよく分かります。ミヤマキンバイの葉は、小葉が3つ付きますからこれに注目すると識別できます。

こちらはシナノキンバイです。キンポウゲ科の高山植物で、葉は3出複葉で切れ込みが深いですから、ミヤマキンバイの葉とは明らかに違います。ミヤマダイコンソウの葉は直径が10cmほどもあります。

標高が高くなると、このアオノツガザクラが見られるようになりました。葉の形がツガ(栂)の木のような形をしていて、花の色が緑色味のあるクリーム色をしているところが特徴ですね。

こちらはまだ花が咲いていませんが、蕾の状態でも総苞が暗紫色であるところから、クロトウヒレンであると分かります。

こちらも高山植物の定番であるコケモモです。やはり標高の高い岩稜地や砂礫地に群生していますが、ここではゴゼンタチバナも一緒に咲いていました。

コケモモは、花が終わると赤い実を結実しますが、これが甘くて美味しいのです。以前、富士山の奥庭荘の水場で野鳥観察した時に、よくコケモモジャムを買ってきたのが思い出されます。

コケモモの花は、よく似たコメバツガザクラと同じようで識別が難しいですが、コメバツガザクラの葉はもう少し細くて、3枚の葉が対生しますから、そこが識別ポイントになります。
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| 2016-08-17 06:00
| 植物

前回は、山友と2人で北アルプスの
槍ヶ岳(標高3,180m)に登頂してきた結果について紹介しました。梅雨明け直後の一番気候が安定している時に登頂してこようと、その期日を7月24日から26日と決めました。いつもの年なら7月21日か22日頃には梅雨明けとなりますから、ベストの日程と意気込んでいました。ところが今年は例年より梅雨明けが遅れ、7月28日にやっと梅雨明けとなりましたから、梅雨のさなかの登頂ということになってしまいました。
しかし、季節はちょうど高山植物が賑やかな、見頃の時期にあたりますから山行途中にとてもたくさんの高山植物を観察することができました。写真もたくさん撮影してきましたがその整理がなかなか進まず、また、どうやって紹介していこうか色々と考えあぐねていましたが、結局、悩まずに撮影した順に紹介していくことにしました。一部順番を入れ替えたものもありますが、概ね撮影順に紹介します。
まず最初はミヤマホツツジです。雌しべが長く伸びて、上にクルッと曲がっていますから、まるでゾウさんの鼻のような形状ですね。

次に紹介するのがイワオトギリです。ただし、オトギリソウの仲間にもいろいろあって、その識別には自信がありません。ただ、撮影した地点が標高2,000mほどのところでしたから、高山植物のイワオトギリであろうと推測した次第です。(間違っていたらご指摘をお願いいたします。)

こちらはズダヤクシュです。低山では既に花期は終わっていますから、1ヶ月くらい遅れていることになるでしょうか。この辺りは標高が高く気候が涼しいからなのでしょう、まだ花を咲かせていてくれました。

こちらは、独特の形をした青紫色の花を咲かせていたタカネトリカブトの花です。普通のヤマトリカブトと比べると花が少し小さめですね。また、花付きもまばらであると思います。

白い花穂を立てたこれは何でしょうか? いろいろ調べてみたのですが、自信をもって特定できません。この時期、この形状で咲いている花は、やはりサラシナショウマではないかと思いますが....残念ながらよく分かりません。

セリ科の高山植物は、このように複散形花序と呼ばれる独特の花姿をしています。この仲間の識別は(も)苦手なのですが、こちらはミヤマシシウドになります。葉の形と茎が赤味を帯びているところから識別しました。

こちらはヤマハハコの仲間ですが、葉の形からヤハズハハコであろうと思います。そんなにたくさんはありませんでしたが、登山道の脇で、小群落を作っているところがよく目につきました。

とても賑やかな花穂を並び立てていたミソガワソウです。夏山に登れば、そんなに標高が高くない所でもよく見ることができる高山植物ですね。ここでは群落を作って咲いていました。

こちらは1本の花穂を立てているムカゴトラノオです。同じトラノオの仲間でも、イブキトラノオはよく見られますが、このムカゴトラノオは少し標高が高い所に咲いているように思います。花穂の下半分にムカゴが出来るのが特徴ですね。

標高が上がるにつれて、とてもたくさん咲いていたヨツバシオガマです。四つ葉と言いながらシダのような葉の形をしています。でも、茎に沿って4枚の葉が対生するところからヨツバシオガマの名前が付けられたのでしょう。

ピンク色の可愛い花を咲かせていたハクサンフウロです。この仲間もいろいろな種類があるようですが、本州中部で見られるピンク色の花は、殆どがこのハクサンフウロになるようです。

黄色い花を綺麗に咲かせていたウサギギクです。可愛い名前が付けられていますが、その由来は残念ながら分かりません。以前、乗鞍岳に登った時、初めてこの花を見て強く印象に残りました。それから忘れられない高山植物になりました。

アキノキリンソウというのは、平地でも普通に観察することができますが、標高が2,000mを超える高地に咲いていたこれは、高山植物のミヤマアキノキリンソウになるでしょう。

先日、池の平湿原を歩いてきた時、とてもたくさん目に付いたネバリノギランです。この花穂に触るとベタベタとしますから、目で見ても、触っても名前が分かる高山植物です。

こちらは、クリーム色の花を咲かせていたエゾシオガマです。上で紹介したヨツバシオガマはピンク色でした。同じ仲間の高山植物ですが、花の色が違うのと、葉の形が全く異なりますから間違えることはありません。
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by coffeeto1
| 2016-08-16 06:00
| 植物

槍ヶ岳(標高3,180m)に登頂すること....それは私には夢の話であると思っていました。アプローチが長く、厳しい山登りになると聞いていましたから、体力的な心配もありました。若い時に本格的な山登りをやっていたわけではなく、中年過ぎてから始めた山登りですから、まさか定年退職してから登頂できるとは思ってもいませんでした。でも、ここ10年ほど毎日のようにウォーキングや階段登りで足腰を強化してきましたから、太ももにも筋肉がついて太くなり、脚力にも少しずつ自信がついていたのも間違いありません。今登らなければ、将来的にはもっと厳しくなるだろうと、山友からの誘いに乗って、無事に登頂を果たしてくることが出来ました。
そういえば、登友会の6月定例登山で燕岳(標高2,763m)に登ってきましたが、その時彼方に見えた槍ヶ岳の勇姿に、次は絶対に登頂してやろうというモチベーションが高まり、ずっと思い続けていた山でもありました。

山頂の祠の前に置いてあった槍ヶ岳の標識板を持って、登頂の記念写真を撮りました。被っている青色のヘルメットは山頂直下の槍ヶ岳山荘で落石防止のために借りたものですが、一人前の登山者になった気分でここまで登ってくることが出来ました。登頂した時には、残念ながらガスに巻かれて周囲の景色を堪能することが出来ませんでしたが、念願の槍ヶ岳山頂に立って、達成感に浸ることが出来ました。

前日は、
上高地から槍沢ロッジまで登ってきましたが、お風呂付の山小屋に宿泊できてサッパリしました。この日は朝食を済ませてすぐ、午前5時半には出発してきました。最初の経由ポイントはこのババ平の槍沢キャンプ場ですが、槍ヶ岳まではここから5kmの道のりです。

これがババ平の槍沢キャンプ場ですが、月曜日の朝ということもあって、テントの数は少なかったと思います。この日の天気予報では、午後から雨マークが出ていましたから、早いところ登頂を済ませてこなければなりません。写真撮影をしただけで、そのまま通過しました。

槍沢を歩いて約2時間ほどが経ちましたが、まだまだ槍ヶ岳の穂先は見えてきません。アプローチがかなり長い山行になりますが、一歩一歩確実に山頂へ近づいている筈です。

モレーン上のハイマツ帯を通り、水場を過ぎたあたりでしょうか。坊主岩小屋と呼ばれる播隆窟までもう少しというところまで登ってきましたが、この辺りでやっと槍ヶ岳の穂先が見えるようになりました。

ヒュッテ大槍への分岐です。標識が立っていて、ここから槍ヶ岳までは残り1.25kmであることが分かります。遠くに見える山頂がなかなか近づいてきません。午後から雨マークが出ているとは思えないような良いお天気で、熱いこと熱いこと。一歩一歩を刻む足取りがとても重くなってしまいました。

かなり登ってきたところで、山頂直下の槍ヶ岳山荘の建物が次第に大きく見えるようになってきました。ここまで来ればもう一息です。振り返ると、眼下に殺生ヒュッテの建物が小さく見えています。

ここが槍ヶ岳山荘ですが、ここまで来たら急にガスが巻いてきてしまいました。すぐそこに聳える槍ヶ岳の山頂もガスに霞んでしまいました。雨が降る前に、急いで登頂だけは済ませてきたいものです。

山荘から槍ヶ岳の山頂までは30分ほどの行程ですが、この写真で見えるように、切り立ったとても急な岩場が続いています。途中に何か所かの鉄梯子が据え付けてあるのが見えますが、あれを登らなければ山頂へは立てません。最後の難関ですが、果たして登ることが出来るのか、ちょっと不安がよぎりました。

最後の岩場へと取り付いて、三点支持を守りながら慎重によじ登っていきます。でも、事前の心配は吹き飛んで、途中で風景写真を撮る余裕もあり、高山植物の写真もたくさん撮れました。次回以降で紹介する予定の、初見の
シコタンソウもこの辺りで撮影しました。

ここが槍ヶ岳(標高3,180m)の山頂です。残念ながらガスに巻かれて周囲の景色が見えませんが、達成感に包まれて山友のEさんと二人で記念写真に納まります。普段は狭い山頂が登山者で一杯になるようで、長時間の滞在はできないようですが、この日は月曜日ということもあって、登山者が少なかったですから、山頂でゆっくり写真撮影するほどのゆとりが持てました。

達成感に浸って山頂でゆっくり時間を過ごすことが出来ましたが、そろそろ下ることにします。....行きはよいよい帰りは恐い....どこかで聞いたセリフではありませんが、山頂から登ってきた鉄梯子の方向を見下ろすと、思わず足元がすくんでしまいました。

登頂する前は、早く山頂に立ちたいと意気込んで登った鉄梯子は、いざ降りるとなると脚がすくんで怖いこと怖いこと。梯子の段も岩の出っ張っているところがあって、つま先しか掛らないところがありましたから、全身に力が入って、ゴチガチになりながら下ってきました。

無事に登頂を済ませて槍ヶ岳山荘まで戻ったところで、当初の予定ではこの小屋で一泊する予定でしたが、まだ昼前であったことと、午後から明日にかけては雨になる天気予報でしたから、山友と相談してこのまま一気に槍沢ロッジまで下ることを選択しました。途中で雪渓の写真を撮りながら下りましたが、その行程の長いこと長いこと。
雨も降ってきましたから、雨具を着用することになってしまいましたが、午後2時半にはロッジに到着して、午後3時からの一番風呂に飛び込むことが出来ました。
翌日は、雨の中を上高地まで下ってきましたが、念願の槍ヶ岳登山は、まだまだこれからも山登りに挑戦できると、自分自身に励みを持たせてくれる山行になりました。
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by coffeeto1
| 2016-08-15 06:00
| 風景