赤城山の標高1,300メートルのところに大沼と小沼という湖がありますが、その間に挟まれるように、覚満淵という高層湿原が位置しています。〝小尾瀬〟とも呼ばれる覚満淵は、周囲は30~40分もあれば一周出来るように、木道と散策路が整備されていますから、日帰りで楽しんでくるにはちょうど良い場所であると思います。ゆっくり散策するとたくさんの山野草が観察できて、野鳥やチョウ・トンボの仲間も豊富ですから、自然観察の楽しめる場所になります。
この写真は、鳥居峠から覚満淵を撮影したものですが、奥に見える湖が大沼です。今回から2回にわたって、そこで見てきた山野草を紹介してみたいと思います。
ここに来るようになったのは、向こうに見える黒檜山(標高1,828m)をはじめ、地蔵山(標高1,674m)や長七郎山(標高1,579m)などへの登山の目的がありました。でも、今では覚満淵での自然観察のために足を運ぶようになりました。
冬の間は、スノーシューを履いて歩き回ったこともありましたが、コナシの木にアトリやレンジャクなどの野鳥も飛来して来て、まじかに写真を撮ることが出来ました。季節を問わず楽しめるところだと思います。
日当たりの良い草原を歩いていると汗が流れますが、森の中に続く涼しい散策路を歩いていくと、鬱蒼とした茂みの中で咲いていた、マルバダケブキの花を撮影することが出来ました。
覚満淵の東側に続くなだらかな斜面には、草原が広がっています。その中を汗を拭きながら歩いていくと、ヤマオダマキの花が出迎えてくれました。歓迎してくれているようですから、すかさず撮影させてもらいました。
こちらも草原の中に咲いていたノアザミの花です。草原の中に着けられた散策路を歩いていくと、葉の先端が棘のように尖っていて、チクチクと刺さって痛いです。とてもたくさん咲いていて散策路にも飛び出していますから、嬉しいような困ったような....
こちらはオオバクサフジの花になります。目立つ花ではありませんが、草原の中ではこの花もよく目につきました。覚満淵の高層湿原を彩る山野草のひとつです。
花茎に沿って、釣鐘型で薄紫色の花を輪生させていたツリガネニンジンです。草原の中に立つシラカバの樹が作る、日陰の中に咲いていましたから、見るからに涼やかな花姿でした。
ゴチャゴチャと色々な草が生い茂る草原の中に、少し色合いが異なる花が咲いていました。名前が分からないまま撮影してきましたが、後から図鑑で調べてみたら、これがシュロソウになるようです。ちなみに緑色の花を咲かせるのがアオヤギソウで、このように暗視褐色の花を咲かせるのがシュロソウだそうです。
キオンの花が咲き始めていました。夏山に登ると、必ずと言ってよいほど目にする山野草です。場所によっては、一面黄色になるほどの大群落を目にすることもありますが、ここでは控えめに花を咲かせていました。
草原の上に、1本だけヒョロッと頭を出していました。これはホザキシモツケで良いのでしょうか? それともハナチダケサシでしょうか? よく分からないまま紹介させてもらいました。
草むらの低いところに紫色の花を見つけました。春先によく見るウツボグサです。訪れたのが7月最後の週末でしたから、花期はもうとうに過ぎていると思っていたのに、ここではまだ花を咲かせていてくれました。
こちらはシソ科のクルマバナです。薄いピンク色の花を、茎に沿って輪生させているところから、この名前が付けられたものと思います。
こちらも同じシソ科に属するミヤマタムラソウです。同じ仲間にナツノタムラソウというのがあって、花色をやや濃いめに咲かせるようですが、このように花色が白いものがミヤマタムラソウになるようです。
キツネノボタンが咲いていました。でも、花の大きさが普通のキツネノボタンに比べると小さいです。これはヤマキツネノボタンですね。覚満淵から大沼へ流れ下る川に沿った道沿いで撮影しました。
こちらはウスユキソウです。この仲間にも色々な種類がありますが、私にはよく分かりません。覚満淵から鳥居峠に至り、小沼へ抜けようと山道に入ったところで撮影しました。