東京では、一時続いていたあの連日の猛暑が途絶えて、暑いなりにも少しはしのぎやすくなってきました。でも、まだまだこの暑さが暫らく続きそうですから、夏バテ対策が必要ですね。先日、旧友とともに登ってきた仙丈ケ岳(標高3,033m)では、昼間でも気温が20度以下でしたから、とても涼しくて気持ち良いものでした。でも、山頂で休んでいたら体が冷えてきて、寒くなってしまいましたから、上に一枚着なくてはいけないほどの涼気でした。都内のムッとするような暑さの中を歩いていると、あの山の上の涼しさは何物にも代えがたく、とても有難い自然の贈り物であると恋しくなってしまいます。また行きたくなりますね。
仙丈小屋から続く登山道は一気に高度を上げながら、稜線の上を歩いて仙丈ケ岳山頂へと続いています。
稜線の上から見下ろすと、先ほど休憩を取った仙丈小屋が小さく見えます。その右側が薮沢カールになりますが、弧を描いて盛り上がっている土手のようなものは、氷河が山肌を削り取り、その堆積物が積もったものです。前日に登った甲斐駒ケ岳(標高2,967m)がその左側にノコギリ尾根を従えて聳えています。その奥の方に見える山並みは、八ヶ岳連峰になります。
仙丈ケ岳(標高3,033m)の山頂に立つコーヒー党とEさんです。二人とも元気に登頂を果たすことができました。この前日、甲斐駒ケ岳(標高2,967m)に登頂した時には、ガスが出たりしてあまり見通しが利きませんでしたが、この日は快晴の良い天気に恵まれ、360度の眺望に恵まれました。
山頂から見た山並みですが、中央にそびえる山は日本第二の高峰である北岳(標高3,193m)です。その右側に連なる山は間ノ岳(標高3,190m)です。北岳のすぐ左側に遠く霞んでいる山が、日本の最高峰である富士山(標高3,776m)です。
こちらは、伊那谷越しに遥か彼方に見えた乗鞍岳(標高3,026m)の山並みです。
仙丈ケ岳から尾根伝いに続く大仙丈ケ岳(標高2,975m)と仙塩尾根です。今回は、残念ながら大仙丈には登頂することができませんでしたが、写真にはしっかり撮影してきました。
岩陰に咲くミヤマキンバイです。仙丈ヶ岳登山では、とてもたくさんの高山植物の写真を撮ってきましたから、どこで撮影したものか記憶が定かではありませんが、急な登山道を登っている時、この花を見つけて一息ついた記憶があります。
こちらは、ツツジ科のアオノツガザクラです。薮沢を登っている時に撮影したものと思います。花弁に緑色味があり、葉の形が針葉樹のツガの葉に似ているところから名前が付けられています。
こちらはイワギキョウですね。名前の通り岩山に生育している、キキョウ科の高山植物です。ここでは、まだ花が開ききっていませんが、幾つも並んでいました。
砂礫の山肌に固まって咲いていたイワツメクサです。厳しい環境に適応するよう、群生していたナデシコ科の高山植物です。
岩山の僅かな隙間から花を咲かせていたこの高山植物は、肉厚の葉が特徴のイワベンケイです。花は黄色い色合いですが、これは雄花になるようです。
同じこちらも肉厚の葉を広げていますが、花の色は紫褐色です。これは、イワベンケイの雌花になるようです。
ベンケイソウ科のイワベンケイは雌雄異株ということですが、温帯から寒帯まで繫殖範囲は広いようです。仙丈ケ岳の頂上付近にたくさん咲いていました。
黄色い花を咲かせていたシナノキンバイです。小さい虫たちが吸蜜のために集まって来ていました。キンポウゲ科に属する高山植物ですが、これもどこに咲いていたかはっきりした記憶がありません。
こちらは、見つけた時にはハナイカリかなと思ったのですが、図鑑で確認するとタカネサギソウになるようです。これはラン科に属する高山植物ですが、私がこの花を見るのは初めてのことになると思います。
仙丈ケ岳の山頂から少し降りてきたところに、このタカネツメクサの群落がありました。これもイワツメクサと同じナデシコ科に属します。
花茎に4枚の葉を輪生させえているところからこの名前が付いたヨツバシオガマです。今回の山行では標高が割合低いところから山頂の周辺まで、広範囲にわたって観察することが出来ました。ゴマノハグサ科に属する高山植物です。