ゴールデンウイーク後半の戸隠森林植物園は、所々に雪が残っていたものの、日中は爽やかな陽気でたくさんの山野草が咲き誇り、季節は急速に進んでいるなと実感できる状況でした。特に、ミズバショウは満開と言える状況で、園内のいたるところにこの白い花を咲かせていました。♫夏が来れば思い出す〜🎶という歌が頭をよぎりますが、お天気にも恵まれてまさに初夏の様相でした。
ミズバショウの多くは1株づつ咲いていましたが、ここでは群生している姿を見せてくれました。写真に撮るには、やはりまとまって咲いている方が見応えがあって絵になりやすいですから、園内を歩き回りながらこのような群落を探し求めていました。もっとも、ミズバショウの花びらのように見える部分は仏炎苞と言って花弁では有りませんから、文言が適切ではないかもしれませんね。
園内の林床は、一面にミズバショウが咲いていましたが、所々でリュウキンカの黄色い花と共生して、美しいコラボレーションを見せてくれました。
リュウキンカはこのように艶のある黄色い花弁を並べています。ミズバショウと違って、群生していますから、たくさんの花が集まった景色はボリュームがあります。葉にも艶があって、生き生きしているように見えます。
フキノトウも花を咲かせていました。関東地方では3月から4月頃にたくさん見かけますから、ここは花期が約1ヶ月ほど遅れています。
しかし、流石にこのフキノトウは、既に董が立った状況になっていますね。
入口広場のトイレを利用して外に出た時、散策路の脇に薄紫色の花の集団が有るのに気が付きました。思わず近寄って確認したところ、ヤマエンゴサクが固まって花を咲かせていました。これも、春先に出会えると嬉しくなる山野草です。
こちらのヤマエンゴサクは、単独でやや赤色味のある花を咲かせていました。青紫色ばかりではなく、花の色には多少のバリエーションも有るようです。
キンポウゲ科のアズマイチゲです。園内の散策路を歩いていると、同じ仲間のキクザキイチゲとともに、たくさんの花が目につきました。ここには3輪のアズマイチゲが仲良く花を咲かせていましたから、思わず近寄って撮影させてもらいました。
アズマイチゲの花弁は、清楚な白色ばかりでバリエーションがありませんが、葉の形に注目すると、切れ込みのない丸型の葉を広げていますから、キクザキイチゲとの識別は容易でした。
こちらがキクザキイチゲです。花だけを見ると、アズマイチゲと識別することは難しいのですが、葉の縁にはキクの葉のような切れ込みが有りますから、これで識別することが出来ました。
キクザキイチゲの花は、白色だけでなくこのように青色がかった花もありました。たまたま並んでいた3輪の花がみんな青色系の花でしたから、もちろんこれも撮影対象です。
カタクリも今が盛りとばかりたくさん咲いていました。4月中旬に、妻と定年退職の記念旅行で立ち寄った
箱根湿性花園では、既に花期が終わりかけていましたから、あれから比べると1ヶ月ほど遅れています。でも、同じ花でも時期をずらしてまた観察出来るのは嬉しいですね。
2輪のカタクリが並んでいました。この葉には、独特の濃緑色の斑が入っていますから、花が咲いていなくてもすぐに分かります。でも、スプリングエフェメラルとして夏を迎える頃には、地上から姿を消してしまいますから、儚いものです。
さてこちらはオウレンの仲間になります。見つけた時はミツバオウレンかなと思いましたが、よく見ると葉の形が違うようです。図鑑で確認したところ、ただのオウレン(別名キクバオウレン)が一番近いかなと思いました。
こうして群生している様子を見ると、ますますキクバオウレンであろうという思いが強くなりました。でも、あまり自信がありませんから、分かる方がいたら判定をお願いしたいところです。