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アサギマダラとクジャクチョウ@蔵王

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このところずっと不順な天気が続き、夏は何処へ行ってしまったのかと気を揉んでいましたが、今日は久し振りに陽がさして、爽やかな朝を迎えることが出来ました。やっぱりお日様の光は有難いものです。窓を開けた時の気持ちが全然違います。
今年は2度目の夏休みをとって、蔵王へ遊びに行って来ましたが、そのことについては既に何回かに分けて紹介して来ました。その中で、チョウがたくさん観察出来たと紹介して来ましたので、今回はそこで撮影することが出来たアサギマダラとクジャクチョウをまとめて紹介します。
特にたくさんのチョウが見られたのは、観松平からいろは沼に至る周辺ですが、ちょうど最盛期を迎えたヨツバヒヨドリの花で吸蜜していました。花の数はとてもたくさんあるのですが、その花という花に何種類ものチョウが飛来している、そんな印象でした。
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アサギマダラは長距離の渡りをすることで有名ですが、こんなチョウのどこにそのパワーがあるのでしょうか?渡り鳥でもそうですが、小さな生き物たちは、私たち人間が真似しようと思ってもとても及ばない、秘められたパワーを持っているものですね。
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さて、アサギマダラの翅の特徴を見てみましょう。この個体の後翅に注目すると、後縁付近に黒色の丸い斑紋が広がっています。これが♂の個体の性標ともいえる識別ポイントになります。
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今度は、上の写真の個体と比較しながら見てください。後翅の後縁には黒くて丸い斑紋が認められず、全体的に赤褐色の模様が広がっていますから、これで♀の個体になることが分かります。
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これはアサギマダラの♂ですが、今度は胴体に注目してください。黒地に白い水玉模様が入っているのが分かります。これがマダラチョウ亜科に属するチョウの、仲間の名前の所以(ゆえん)になっている特徴です。
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アサギマダラは春先の気温の上昇とともに北へ移動して、秋になって気温が下がってくると南へ移動していくということです。翅を全開にしてくれたところですが、よく前翅の白い部分にペンで文字を書いて、長距離の渡りの確認をしているところが紹介されていますね。
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真紅の翅に見事な目玉模様が目立つクジャクチョウです。夏場に山登りをすると、よく目にすることができる高山蝶の一種です。平地ではあまり見ることができませんから、これも蔵王まで足を運んできた収穫の一つになりました。
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クジャクチョウは成虫で越冬するということですから、アサギマダラのように長距離の渡りをすることはありません。高山蝶でありながら、成虫越冬するというのは、これまた驚くべきパワーを秘めた不思議な現象であると思います。
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翅の表裏の模様の違いが分かりやすい写真ですが、表側は真紅の見事な色合いをしているのに、裏側は黒褐色の実に目立たない色合いをしています。タテハチョウ科のチョウの仲間にはこういう特徴を持つものが多いですね。
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クジャクチョウは雌雄同色ですから、翅の模様を見て♂か♀かの識別をすることができません。2頭が一緒にいてくれたら、やや大きいほうが♀であるというところで識別するしかないと思います。
by coffeeto1 | 2014-09-05 06:00 | 生物
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